練馬区議会傍聴記(1)
区民環境清掃委員会 2002年12月5日

プライバシーを考える練馬区民の会


練馬住基ネットに反対する会から区議会に対して、「住民基本台帳ネットワークシステムへの参加中止について」という陳情(陳情第421号)が、1500人以上(12月5日までの追加分を含めて2015人分)の署名付きで提出されており、12月5日の区民環境清掃委員会で議題にされるとの情報提供を受け、区議会の審議を傍聴してきました。

参照:会議録


練馬区議会 区民環境清掃委員会

この陳情第421号が審議されているのは、区議会の常任委員会である区民環境清掃委員会(定員10人、欠員1人)というところです。

それはどのような委員会かというと、パンフレット「ねりま区議会のしおり2002」よると、次のような役割、構成となっています。

委員長  矢沢 重光(共産)
副委員長 中井八千代(ネット社民)
     上野 定雄(自民党)
     村上 悦栄(自民党)
     藤井たかし(自民党)
     竹内 智久(公明党)
     原 ふみこ(公明党)
     猿田 博文(共産)
     土屋 新一(民主無所属)

陳情の内容と区の対応

陳情の要旨と理由は、次のとおりです。
    【要旨】
  1. 住民基本台帳ネットワークシステムへの参加を中止して下さい。
  2. 住民基本台帳ネットワーク中止の意見書を国に提出して下さい。
  3. 国会で継続審議中の個人情報保護法案の廃案の要望書を国に提出して下さい。
    【理由】
  1. 住基ネットはコンピュータ・システムによるネットワークへの加入が強制されており、国民に選択権がなく、事実上の国民総背番号制です。私たち住民を、番号で管理することに反対します。
  2. 個人情報の漏洩を防ぐには、すべての市町村で一定レベル以上の、セキュリティー策をとる必要があり、貧弱なシステムを組んだ自治体が一つでもあれば、そこから全国民のデータが漏洩する危険性があります。
  3. (財)地方自治情報センターのセキュリティーに問題があるにもかかわらず、区民情報の漏洩があっても区の関与権がなく、ストップする手段がありません。
  4. 地方自治体に於いて、住民票コードの通知・管理・セキュリティ等の面から、ネットワークの保存・維持負担が大きすぎます。
  5. 現在、国会で継続審議されている個人情報保護法案は、様々な問題点を指摘されており、真の個人情報保護にはなりません。

それが読み上げられ、次の2点が資料として配布されていました(委員会終了後に区議会事務局にお願いしてコピーをいただきました)。

  1. 区民部管理課「陳情第421号 住民基本台帳ネットワークシステムへの参加中止について」1ページ
  2. 「個人情報の保護に関する法律案の概要」(章、節ごとに要旨を記述)3ページ

区民部管理課が作成した資料は次のような内容です。

                            平成14年12月5日
                            区民部管理課
陳情第421号  住民基本台帳ネットワークシステムへの参加中止について
陳情項目 区としての考え方等 備考
(1) 住民基本台帳ネットワークシステムへの参加をを中止してください
(2) 住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)中止の意見書を国に提出してください。
(1) 区としての考え方
区は、次の考えから、住基ネットへの参加を方針としている。
  1. 住基ネットへの参加は、住民基本台帳法(以下「住基」法)を始めとした関係法令により義務づけられている。
  2. 住基ネットにかかる個人情報保護策については、住基法を始めとした関係法令ならびに個人情報保護条例等により、必要な措置がとられている。
  3. 住基ネットは、住民サービスの向上、行政の合理化・効率化を目的とし、将来的なIT社会・電子自治体の基礎とされるものである。
(2) 住基ネットスケジュール
  • 第一次稼働[平成14年8月5日〜]
    • 住民票への住基コードの付番と本人への通知
    • 住基法に定められ目的に沿った国の行政機関等への本人確認情報の提供
  • 第二次稼働[平成15年8月5日以降](予定)
    • 住民票の写しの広域交付
    • 転入転出の特例処理(住民票カードの交付を受けている場合、転出証明書の提出が不要となる。)
    • 住民票カード発行
 
(3) 現在、国会で継続審議中の個人情報保護法案の廃案の要望書を国に提出してください。 (1) 個人情報保護法案の概要
 別紙「個人情報の保護に関する法律案の概要」参照
平成13年3月27日衆議院提出

※個人情報保護措置の概要(参考)

    【制度面】
  1. 対象の個人情報を「本人確認情報(氏名、住所、生年月日、性別、住基コードこれらの変更情報)」に限定する。
  2. 本人確認情報の提供先、利用目的を法律で明記したものに限定する。
  3. 民間における住基コードの利用を法令で禁止(罰則適用)する。
  4. 通常よりも重い刑罰をもって秘密保持義務を定める。
    【技術面】
  1. 専用回線でのネットワーク構築
  2. 通信データの暗号化
  3. 侵入検出装置IDSの設置
  4. 操作者用ICカードやパスワードによるアクセス管理
  5. 不審な業務パターン常時監視
  6. データ通信の履歴管理
  7. 操作者の履歴管理
  8. ログ(使用記録)の取得
  9. 電磁波漏えい防止機器の採用
    【運用面】
  1. 緊急時対応計画の策定(緊急時におけるシステム停止等の措置を定める。)
  2. セキュリティ管理諸基準の策定(情報資産、委託等の管理基準を定める。)
−以上−

委員会審議の内容

委員会は午前10時開会で、この練馬住基ネットに反対する会から2015人分の署名を添えて提出された陳情(陳情第421号)については、午前10時30分頃から11時40分頃まで審議され、結論を出さないまま継続審議となりました。

会議録は後日、議会事務局へ直接問い合わせればコピーをいただける(本会議と違って、委員会の議事録は図書館で閲覧できるようにはなっていません。コピー代は実費かな。)そうです。掲載しました。(2002年12月19日)

傍聴して感じたこと

この陳情を支持する立場で審議していただいている区議の方々も(その逆の方々も)いらっしゃるわけですが、やはりもっと勉強して強く主張できるようになっていただかないと現状のままだな、という印象を持ちました。そのために、陳情の理由を補足する資料を提出することも有効な手段なのではないかと思うようになりました。

今後の予定

議会事務局に問い合わせたところ、区民環境清掃委員会は、12月11日、24日にも開催されますが、陳情の審査は行われないとのことです。次に議事にのぼるのは1月21日と2月6日だそうです。いずれも午前10時から。

文責:guskovdori
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